青と赤と紫…と藍2
投稿日:2014/02/15カテゴリー:お知らせコメント:コメントはまだありません
嗚呼・・・、
なんでブログを書こうと思うと雪が降るんでしょう・・・。
お待たせしました!
(待ってないという意見は受け付けません)
お約束通り今回は前回紹介しきれなかった、
「私の今年作ったオリジナル手ぬぐい」の意味合いを、
さりげなく且つ、
たっぷり!
ご紹介させていただきます。
まず今年の新しい手ぬぐいを作るにあたり、
デザインしてくださった棚澤英恵さんに伝えたコンセプトは二つありました。
一つは前回のブログでも少し触れたように、
今年の手ぬぐいは「面白い柄」や「派手な柄」でなく、
さりげない柄
それでいて、ちゃんと「意味がある」よく見るとそれに気付くような、
まさに、
古典的柄
そんなデザインにしたいということ。
それが一つ目のコンセプト。
そしてもう一つは、そのデザインのまま、
浴衣にもしたい!
ということ。
この二つのコンセプトを伝えたわけですが、
今思えば、軽々しく言ってはいけないような難しい要求をしてしまいました。
ですが、そんな要求にちゃんと応えてくださいまして、
デザインしていただいたのが前回ご紹介させていただきました、手ぬぐいです。
どうです!
パっと見、よくわからないでしょう?笑
なので、ちゃんと説明いたします。
基本は古典柄でもあります、
矢絣(やがすり)
この柄は本当に素晴らしいデザインだと思うのですが、それだけでなく大変縁起のいい柄なんですって。
何故かというと、矢というのは、
勢いよく飛び
的に当たる
(外れる方が多いとか、それを言っちゃぁお終いよ)
そして、矢は飛んで行ったら戻らないということから、嫁入りの着物の柄などにも使われたり、
あと有名なのは大奥の腰元(侍女)たちの着物の柄にも使われてます。
その矢絣に私 “志の八” らしさを入れてくださったわけです。
わかりますか?
矢の羽の部分が
八の字
になってるんですよ。
しかもそれが、四つに分かれている。
八が四つ
四の八
志の八になるでしょうが!
さらに!
それだけじゃ私だとわかりにくいということで、
その四つに分かれた八の字のうち一つを志の八の八にした(言い回しがややこやしいわ!)、
わかりますよね?
言いたいことわかりますよね?
まあ、そういうことです。
したがってそうすることにより、
矢の羽が~
矢尻に~
早変わり!
YA(矢)~~~!(ダチョウ倶楽部)
そして “四の八柄” の間の柄(がら)も~、
パターンが違う羽だと思っていたのが~、
矢の柄(え)に早変わりなわけなのさ!
ここに一本の矢が出来上がったわけなのさ!
YA~~~~!(ダチョウ倶楽部)
さらにはその先にある “志の八” の “の” の字(ややこやしいわ!)、
的になっていて矢が当たってるのさ!
聞いてないよ~~~!(ダチョウ倶楽部)
そしてその縦に並ぶ矢の間を埋めている、これまた縦に伸びている三本の直線、
縦に三本川
縦に川の字
縦に川
たてかわ
立川!
“四の八柄”と合わせて、
立川志の八じya~~~!(アレンジきかせてみました)
どうですか、このなんともシュッとした粋なデザイン!
興奮してくるでしょ!
まさに、
ムッシュムラムラ!(ダチョウ倶楽部)
まさに私の依頼したコンセプトの一つ、
さりげない(私の説明はうっとうしいですが)
古典柄を踏襲した、ちゃんと意味や想いが込められたデザインなのです。
そして、お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、途中で名前が “鏡文字” になってるんですよね。
鏡文字
これにも訳がございまして、
これがもう一つのコンセプト、“浴衣” になるわけですが、
これを説明するにはまず、
染物
について話をさせていただかなくてはいけません。
基本的に “染物” と “プリント” の見分け方、違いはなんだと思いますか?
一概には言えませんが、見た目でわかりやすいのは、
生地の裏
です。
生地の裏を見ればわかります。
なぜなら、
プリントは裏が白い(一概には言えません、あくまで基本)
ようはプリントの場合は生地に色を “載せる” ってことなんですよね。
だから色(染料)が表だけで裏までは浸透しない。
ですが染物はその字の通り、生地を染め抜くわけですから生地に色が染みわたる。
したがって、
染物は裏も同じように染まっている
わけです。
これが簡単な染物とプリントの見分け方なのですが、
手ぬぐいを染めるとき、長~~~い木綿の布に染めたいデザインの型を合わせ、
ある一定の長さで折り返しながら染めていくんですね。(かなりザックリ説明してます)
それを切って手ぬぐいにしているのです。
そして浴衣の場合も染め方は手ぬぐいと基本は同じで、
幅は手ぬぐいよりも広いのですが一つの型で折り返しながら染めていきます。
しかし、手ぬぐいのようには切らず、
12メートル(私の浴衣)くらいの長さで一つの反物として染めるんです。
話は戻って、
「なぜ名前が鏡文字になるか?」
ってこと。
問題なのは染め方なんです。
折り返して切らずに染めるということは、広げると柄が互い違いになっていくわけです。
ですので例えば名前がこの向きだけだと、
広げたときに、
ただでさえ互い違いになっているものが、さらに目立つんです。
それを上下左右の反転した文字を散りばめることによって、
互い違いの印象がだいぶ抑えられるわけなんです。
ですから柄の何個かをわざと裏返しにして鏡文字にしているわけです。
また吉原や遊郭の言葉で、
初めて行くことを “初会”
二回目を “裏を返す”
三回目を “馴染み”
と言います。
なので、名前を裏返すことは、
お客様がまた来てくれますようにとのゲン担ぎでもあるんですね。
もう~!
縁起担ぎ過ぎ!
やってくれたな~!(ダチョウ倶楽部)
ということで完成しましたのが、この浴衣、
ピ~~~ス!
YA~~~!じゃないのかい!
やってくれたな~!(ダチョウ倶楽部)
まったく、ちゃんと抑えるとこ抑えとかないとダメだ~ぞっと、
~トン(ダチョウ倶楽部)
え~、色は日本古来より使われ愛されている、
藍
この色の浴衣を作りたかったんです。
手前味噌ですが私の想像以上の物ができたと思います。
そして、もう少し話をさせていただきたいのですが、
最近和物のプチブームで手ぬぐい、浴衣、風呂敷、そういったものの需要が増えてきたんだそうです。
日本の文化を話す私としては嬉しい限りですが、
良いことは二つ無く、
需要が増える一方、それを作る職人さんの数は年々減ってきているんだそうです。
手ぬぐいの型も以前は職人さんがみ~んな手で彫っていたものを、
最近では機械で彫ることも多くなってきたんだとか。
細かいパターンの柄はとくに。
ですがそんな中、戸田屋商店の担当してくださっているKさんが、このデザインを見て、
「ぜひ、職人さんに彫らせたい」
とおっしゃってくださいました。
機械の綺麗すぎる線より、お職人さんが彫る手彫りの暖かさを出したいと、
このデザインではぜひと、おっしゃってくださったのです。
お陰様で、
今回は型もお職人さんの “手彫り”
染めも、
お職人さんの手で染めた “本染め”
初めから最後まで日本の技術と文化で出来た手ぬぐいと浴衣になりました。
素敵な手ぬぐいと浴衣をデザインしてくださいまして、
本当にありがとうございました!
棚澤英恵さんのHPに私の手ぬぐいのことも載せていただいてますのでぜひご覧ください。
そして、戸田屋商店の皆様、担当のKさん、お職人の皆様、
ありがとうございました!
また浴衣の販売チラシの作成など、いろいろ相談に乗っていただきましたTさん、
ありがとうございました!
どうぞ皆様、このサイトのグッズからも注文できますが、
私の落語会でも販売しておりますので、お気軽にご覧ください。
そして、
買っちゃってください!
YA~~~~!(ダチョウ倶楽部)
え?
買わない?
じゃあ、私が自分で買いますよ!
え?
どうぞどうぞどうぞ?(ダチョウ倶楽部)
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